ゴミ屋敷と認知症の母(2)
認知症は、自己中心的な人、
他人に責任を押し付けて自分のせいにしない人
がなるとの話を前回かいた。
さて、まったくその通りの性格を持っている母が、
ついに帰還したわけである。
しかも認知症がよりひどくなって。。
コロナの期間の1年間、
私は全く母の病院に行けずに
母の治療(私は整体師でもある)ができていなかった。
それ以前は母の治療を週2回していたが、
そのときは認知症があったとはいえ、
そこまでひどくはなかった。
当時どの程度かというと、
自分の年齢は正しく言えたし、
日にちも曜日もわかっていた。
直前に話したことを忘れることはあったが
結構覚えていることが多かったし、運
動能力でいえば杖があれば
1キロくらいは普通に歩くことはできた。。
今はどれほどかというと、
年齢もわからない、日付もわからない。。
何を教えても3秒でほぼ忘れている。。
退院当時はどれだけ座っている時間が長かったのか、
おしりに床ずれができていて出血しており、
歩行能力は以前の1/4くらいになっていた。。
しかし右脳はそれなりに生きているのと、
意外と昔の記憶はのこっているから、
それなりに普通の対話はなりたつ。
ただし以前のような元気がない。
覇気が全くない。
非常に不可思議な状態である。
いっけん対話するとまともな返事が返ってくることが
多いので健常人のようなのだが、
なにか新しいことを教えると、
まったく分からない。
そして全く覚えられず、
自分の考えと意見だけを主張する。
こっちから「それは違うよ」といっても
何度でも自分の意見を言い続ける。
例えば実家のトイレに入っても、
トイレットペーパーがよくわからない。
この家に40年以上母は住んでいたのに、わからないのだ。
どこについているかがわからない。
それだけでなく、
ときにトイレットペーパーという物資が認識できない。
おかしい、入院していた病院のトイレにも
トイレットペーパーがついていたのだが。。。
2か月たった今もしばしば良くわからないので、
用を足したあとに、
おむつで股間を拭こうとすることがある。
おしっこしたらお水を流してね~、
というと、
今度はトイレットペーパーをからからと回し始めたりする。
現在母は毎日9時から17時までは
デイサービスにいっている。
しかし、それ以外の母が家にいる時間は
ほぼずっと監視である。
特に用を足すときが危険なのだ。
2時間単位でおしっこが漏れているからである。
だから、寝かすときはさすがに
2時間単位で起こすわけにはいかない。
いや最初の数週間はやっていたが、
母も毎回起こされるから不平不満がつのり、
私もほとんど寝られない毎日で限界だったので、
現在は3~5時間寝かしてから起こすようにしている。
しかし、そうすると、
夜間のおもらしの量はおむつの限界を超えて
おしっこは布団へ。。。
毎日洗濯、毎日布団のシーツを洗濯なのだ。。
それだけでなく、母の小便は驚くほど臭いのだ。
だから母が用を足した後のトイレの臭さは尋常ではない。
これがとんでもなく臭いのだ。。
そして母はうまく股間をふけないから、
ふくときに手に小便がついてしまう。
そしてその手で髪の毛やらいろいろなものを触りまくるから、
こっちが母を管理しないと
瞬く間に母は全身からすごい汚臭を発するようになる。
認知症になるひとは腎臓も悪い。
腎臓が悪いから、尿が臭い。
私はリアルに母の尿の臭いをかぐと
ゴホゴホとむせ返えってしまう。
この臭いがもう完全にトラウマ状態だ。。。
かなり地獄である。
実家に戻って2か月たった。
いまだにトイレに入っても
私が言わない限りおしっこを流さない。
「おしっこを流して手を洗って」
とこの2か月毎日教えてもダメなのだ。
またトイレの水の流し方を教えると、
流したあとに、
今度はタンクから出てきた下水で手を洗おうとする。
つまり便器に手をつっこもうとする。。
あわてて止めるのだが、何度もやる。。
なんでだ?
施設にいたときそうしてたのか??
紙おむつがおしっこで汚れたから脱いでね、
そのためには今履いてるズボンをまず脱いでね、
というと、
「うるさい」と反抗される。
そして一生懸命2時間くらい
ズボンを履いたままおむつだけ脱ごうとして、、
当然脱げない。。。
我の強さはすさまじい。
そして指摘すると逆切れされるが、
最後にはにっちもさっちもいかないので、
私のいうことを聞く。
でも本人は首をかしげて
「おかしいわね~」
と納得していない。。。
現実を納得しないのだ。
すごい我の強さ。
常に自分が正しいと思っているのだ。
とにかく私の指摘を聞かないで
無視して失敗すると、
「わからなかったのよ、あ~認知症ってこわいわ~。」
と、認知症のせいにする。
自分の我の強さを認知症のせいに責任転嫁するのだ。
短期記憶は本当に全くない。
驚くほどない。
が、面白いのは人のせいにしたり、
責任逃れする頭は昔から今に至るまで使い続けているので、
その部分はボケていないのだ。。
やっかいである。
こんな母と一緒にすんでいる。
当然2か月で介護疲れが出てきた。
とはいえまだ耐えられる。
このまま次の施設に入ってもらうこともできるが、
今度新たに施設に入ったら、
もう2度と回復の余地はないので、
この機会が母が回復できる最後の機会だ
と思って手を付けている。
毎日、施術をほどこし、背骨のずれ、
仙骨の筋肉の癒着、
首の筋肉を緩めて脳に血流が行くようにさせると、
確かに認知度は良くなる。
しかも歩行速度もあがる。
そして毎食無農薬のオーガニック野菜に、
無農薬玄米、調味料の塩や醤油も、油なども
全部高価な安全性と栄養価の高いもので料理をしている。
どこまでできるか勝負である。
86歳という高齢の母。
正直キチガイを相手をしているだ。。
兄からもケアマネージャーさんからも
施設に入院させたほうがいいと言われているが、
それでも幼いころ私を愛して育ててくれた母なのだ。
認知症はうまくやれば良くなるのはわかっている。
最後の機会だとおもって頑張ろう。
そして思った。
自分は決して認知症にならない人生を歩もうと。
そのための対策を今からしっかりしている今日この頃である。